−それでは、大変聞きにくいことではありますが、
2015年6月に値上げをおこなった経緯を教えていただけますか?
これは本当に心苦しいです。
平成23年の4月に一気にコーヒーの値段があがったんですよ。
今までは、上質なコーヒーは日本に流れてきてたんですが、
すぐにコーヒーがなくなると言う現象が起きて、
コーヒーの価格が上がってそのときに1回上げさせてもらいましたが、
それからは上げないようにしてきました。
消費税8%になったときも、がんばろうと思ってがんばってきたけど、
今年(2015年)の4月に乳製品などの価格が上がって、
上げざるを得ない状況になってしまいました。
−この値上げに対して多くのお店も値上げされましたね。
やっぱり、続けていくことが仕事ですからね。
無理しながら経営するのは本来の商売の本質を見失ってる気がするし、
提供する料理、コーヒーの質を下げることは出来ないので、
値上がりという判断に踏み切りました。
−2階のランチメニューの価格も変更されましたが…
2階のランチは兄が料理を作ってるんですが、
僕が言うのもあれですけど、安いと思います。
下手したら原価ギリギリですね。
−どのメニューも手の込んだ料理で美味しいですもんね。
特にランチメニューで提供しているスープは、
すごく手間をかけて作ってるんですが、300円で提供していました。
兄はずっと、値上げしないって言っていたんですが
価格とクオリティがあってないというのはあれなんで、400円に上げさせていただきました。
季節のポタージュ
コーヒーも値上がりしたんですが、価格を下げることは出来ないから
コーヒー豆の質を上げて、より良い品をお客さんに提供させていただいています。
−豆の質をあげるというと?
コーヒーのブレンドの中にエチオピアのマタリという豆があるんです。
見た目がバラバラのコーヒー豆であったり、
『新豆』っと言って、味がしない豆であったり、
いろんな豆が入り混じってるのをモカマタリと言うんですが、それがなかなか入手困難で。
僕も商人の前に職人でもありたいから、
美味しいもの極めるのは当然やけど、採算は消費税と原価の問題もあって
やむを得なく、値上がりという判断に踏み切りました。
"パチッ、パチッ"と弾ける豆の音を聴いているところ
豆の色や香りで仕上げを確認します
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長年お店を経営されてきて